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クイーン /オペラ座の夜 |
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- デス・オン・トゥー・レッグス/Death On Two Legs
- うつろな日曜日/Lazing On A Sunday Afternoon
- アイム・イン・ラヴ・ウィズ・マイ・カー/I'm In Love With My Car
- マイ・ベスト・フレンド/My Best Friend
- ’39/’39
- スウィート・レディ/Sweet Lady
- シーサイド・ランデヴー/Seaside Rendezvous
- 預言者の唄/The Prophet's Song
- ラヴ・オブ・マイ・ライフ/Love Of My Life
- グッド・カンパニー/Good Company
- ボヘミアン・ラプソディ/Bohemian Rhapsody
- ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン/God Save The Qeen
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これを書いている9月5日は、そうクイーンのヴォーカリストである故フレディ・マーキュリーの誕生日である。特に狙ったわけではないのだが、何かの因縁なのか「書こう」と思った日が今日だったというのはクイーンを愛する者としては感慨深いものがある。
さて、第1回で紹介したビートルズのサージェント・ペパーズ〜に匹敵するとも言われているこのアルバム。その制作費は当時のイギリスでの最高額であったといわれている。制作費もさることながらそのクオリティの高さは誰もが認めるところであろう。イギリスでの初のチャート1位を獲得し、シングルカットされた「12:ボヘミアン・ラプソディ」は9週間にわたってチャート1位の座に輝いた本アルバムはタイトルにもある「オペラ」のコンセプトに基づき様々なポピュラー音楽のヴァリエーションを網羅した一大音楽絵巻としての流れるような作品として仕上がっている。
まずは印象深いギターから導入されるハードな曲調の「1」からスタートする。どちらかというと重くて暗めな感じの「1」から一転して明るく軽快なヴォードヴィル調の「2」に移る。ここであまり違和感を感じないのもそのつくりの綿密さによるところが大きい気がする。軽快な割にはブライアン・メイのゴージャスなギター・オーケストレーションがフィーチャーされており、この点も聴き逃せないところである。
次はまたハードな「3」である。ヴォーカルをとるのはドラムのロジャー・テイラー。彼のハスキーで独特な声はとてもこの曲にマッチしていると言えよう。曲の最後に聞こえる車のエグゾーストはロジャーが当時乗っていたアルファ・ロメオのものであるらしい。「4」はまたも一転してポップで明るい感じの曲となっている。作はベースのジョン・ディーコンによるもの。この手の曲を作らせればジョンはフレディやブライアンを凌駕すると言っても過言ではなく、ファンの間でもジョンの曲は隠れた名曲として根強い人気を得ている。
次はフォーク調の「5」である。曲名の「’39」は曲の中では「1939年」の意味で使われているが、彼らのオリジナル曲として通算「39曲目」ということも関連しているようだ。歌詞はインテリであるブライアンが相対性理論を題材にしたSF風のものとして仕立てており普通に聴くと理解しずらいものとなっている。続いていわゆる正統派ブリティッシュ・ロックと表現するのがもっとも合っていると思われる「6」である。ロジャーのキープするリズムに気をつけて聴いてみるとその凄さがよくわかるというものだ。「7」はヴォードヴィル風もしくはチャールストン風とでも表現すべきか、どこか懐かしい印象を受ける曲である。この曲の楽しさは何といってもフレディとロジャーのボイパだろう。木管楽器パートをフレディ、金管楽器パートをロジャーがそれぞれ「くち演奏」しているのである。
荘厳でありドラマティックな「8」はアナログレコードの時にはB面のトップを飾っていた曲である。初期の作品にはよく見られた長編大作が久々に炸裂したといったところか。組曲風にできあがった力作はコーラスやエコーマシンによる一人輪唱など様々な要素で彩られている。
続くバラードの「9」は数あるバラードの中でも1,2を争う珠玉の出来栄えの一曲である。フレディの優雅なファルセットやメンバーによるコーラスに思わず聴き惚れてしまう。
ディキシーランド風の「10」はその多彩さに耳を奪われる。この曲の持ち味を引き出しているウクレレの音色と管楽器に聞こえるパートの調和が見事だ。管楽器に聞こえるのはブライアンのギターによるものだいうことも驚きである。そしていよいよクライマックスを飾る「11」である。ロック史にその名を刻んだといえるこの曲についてはもはや多くを語らずともよいだろう。実は筆者はクイーンの曲の中ではこの曲は好きな部類ではないのだが…一般的にみれば素晴らしい曲であるということは間違いないことであろう。クロージングの「12」はイギリス国歌をアレンジしたもの。初期の頃のライブで観客が歌うようになったことを機に作られたということである。
さて、ジャケットデザインであるが、メンバー4名の誕生月の星座をあらわしたものでフレディの手によるものである。続くアルバム「華麗なるレース/A
Day At The Races」のデザインとは白と黒の背景色がが変わっただけでほとんど同じものであるというのもクイーンらしいコンセプチュアルな仕業であるといえよう。
これを聴かずに死ねるか! |
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